美希機の続きです。
まずはSu-27もどきの各部位を加工してSu-33へと近づけていきます。
今回はコックピット周辺の改修と、機体加工のとっかかりまでになります。
まずコックピットの計器板周りから。
前回、コックピットのモールドについてSu-27なのでSu-33と違う・・・と書きましたが、
よくよく調べて見ると基本的にSu-33はSu-27の艦載機バージョンというだけあって
ほとんど違いがないことが分かりました。
とすると、このキットの計器はいったい何を参考にしたのかすごく疑問ですが、まぁ、
気にせず作り直していきましょう。
計器を一つ一つ作るのもよいのですが、全面のパネル部分については0.3mmのプラ板に
穴を開け、計器を再現していくことにします。
元のモールドを削って穴を開けたプラ板を貼り付け、さらに出っ張っている部分は0.5mmや
0.3mmのプラ板を張り重ねて凹凸を作っていきます。
ある程度の大きさのつまみに関してはピンバイスで穴を開け、Plastruct製の0.3mmのプラ棒を
差し込んで少し残して切断することで再現することにします。
それよりも小さいつまみについてはさすがに作るのが難しいので今回は省略してしまいましたw
計器上部のカバーは右端のモニター部分の形状が違うため、切断して加工します。
さて、プラ板を取り付けたあとの加工ですが、今回こんなツールを導入してみたので早速使ってみます。
十和田技研のヒートペンというもので、180度前後の温度をキープすることで焦がすことなく
プラスチックの変形や切断などの加工が出来る優れものです。
きれいなエッジや平面を出すことは出来ませんが、大まかな形状作りや曲面を加工するのに
なかなか使えます。
先ほどの計器カバー部分をヒートペンで加工したのがこちら。
表面は後でサンディングしてなめらかにする必要がありますが、パテなどと違い、待ち時間なしで
形を作れるのは便利ですね。
さて、座席後方のカバーについて、コックピットと一体成形になっていますが、取り付けが
あまりきれいではないので、別途プラ板を加工して取り付けてしまいます。
なお、コックピット側の相当する部分については後ほど切り落とします。
取り付けた後、計器カバー部分のディテールを細かく追加してひとまず機体側は一段落。
次に、座席がとりつく側の計器を加工していきます。
こちらは出っ張っている部分を0.3mmプラ板で作って貼り付けていき、つまみについては先ほどと
同じように作ります。
さて、コックピットの座席後方部分が機体取り付けの都合上出っ張っていますが、実際の
形状と異なっているため、これを切り落とします。
切断した後、プラ板で壁面を形成し、ディテールをプラ板やプラ棒で追加します。
座席がとりつく部分は、完全に隠れてしまうため、ディテールは省略しています。
このとき、フットペダルを取り付けています。
こちらは2mm角のプラ角棒をベースに0.4mmプラ棒を上面突起として取り付け、0.6mmプラ棒を
フットペダルの台座として取り付け、ペダルそのものは0.5mmプラ板を小さく切って貼り付けました。
また、操縦桿については、パーツでは軸だけですが、実機では付け根が蛇腹になっているため
蛇腹を追加します。
また、キットでは長さ不足のため、蛇腹はキットの長さに追加するよう加工します。
次に座席ですが、キットのパーツは薄すぎるため、ヒートペンでプラスチックを盛って加工します。
サイドの部品はやや分厚いため、0.5mmのプラ板を加工して作り直し、貼り付けます。
座席裏は2mm角棒を削って多少薄くしたものを取り付けています。
コックピット後部のレールにここがはまります。
その他、脚部カバーやレバー類をプラ板などで取り付け、座席のディテールアップは完了です。
次にパイロットですが、キットにはパイロットが付属していませんので、前回のF-15Eで
使用したハセガワのアメリカ パイロット/グランドクルーセットのあまりを使うことにします。
なお、機体に合わせるのであればロシアのパイロットを再現せねばなりませんが、
AC6の再現ですので、前回とパイロットの姿は変わらなくてよいだろうという考えです。
あまりの3体目パイロットですが、キットをそのまま作ると万歳しているような姿になってしまうため、
腕は加工しなければなりません。
また、脚も今回のコックピットでは伸ばしすぎのため、もう少し曲げてあげます。
ご覧のように脚がはみ出しています。
ヒートペンで脚を曲げ、さらに腕もヒートペンで加工して取り付けたものがこちら。
表面はヒートペンのコテ後が残っていますので、この後表面処理が必要ですが、ひとまず
形状は完成です。
腕については、ここまで大きく加工する場合にはパテで加工する方が安定した形状加工という面では
楽かもしれません。加工内容によってどちらがいいか考えながら使うのがよいと思います。
作った部品をとりあえずまとめてみるとこんな形にできあがりました。
前面の計器を載せるとこんなイメージです。
なかなか、精密な感じにできあがってきましたね。
次に、機体の加工に取りかかります。
カナード翼取り付け部分はパテで盛りますが、そのための土台をプラ板で作っておきます。
図面に合わせて形状を加工し、機体に取り付けます。
なお、このときプラ板の厚みの分、機体上部を削っておきます。
機体上部と下部の接着はコックピット塗装後でないと出来ませんので、ここでは加工のみにとどめ、
先に機体下部にポリパテを盛っておきます。
次は、機体後部ECM取り付け部分ですが、Su-27とSu-33では後方へ向けての反り返りが
大きく異なっています。
具体的にはSu-27ではエンジンにそってほぼ水平に後方に伸びるのに対して、Su-33では
途中から反り返り、先端部分ではエンジンの中央部より上に来ます。
従って、単純にはみ出た部分を切り詰めるだけでは形が違ってしまうため、
軌道が代わり始める部分から上下ともざっくり切り落としてしまいました。
その他、Su-33ではSu-27にはない機首部分の給油口があります。
こちらは、給油口そのものはあとで取り付けることにして、まずはその形状をくりぬいておきました。
カナード翼根元の加工部分で書き忘れましたが、キット付属のカナード翼そのものも
加工しています。
図面と合わせながら切断したのがこちら。
若干、モールドされている筋彫りより短く切断しています。
カナード翼そのものの形状は、図面からみるとキットのままでよさそうです。
主要な加工部分はだいたいこれでとっかかれました。
次回はこれらの続きと、翼部分の加工に入っていければと思っています。
それではまた。