美希機をつくるよ[その7]/データ作成・機体塗装編

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前回は、下地のホワイトを塗装したあと、基本的なマスキングまで進めましたので、
今回はキャラクターのマスキングやその後の塗装を進めていきます。

まず、キャラクターのマスキングをするためにデカールデータを作らねばなりません。
デカールのデータは、千早機を作ったときと同様に、AC6のゲーム画面からキャプチャした画像を
下敷きにしながら、Photoshopでパスを張り、解像度を上げたものを作ります。

ところで、前回作ったデータでは、実はいささか不満足なところがありました。
具体的には、描線の太さが一定してない、というものです。

千早画像拡大

このように、手の描線の太さが一定していない、アクセサリ部分と太さがかなり違うのが
見て取れます。今回は、ここに気をつけて、質が一定に見えるよう、トレースしてみました。
主翼部分をトレースしたものがこのようになります。

主翼元画像主翼元画像

全体的に、すっきりした印象になりましたね。
余談ですが、前回の千早の衣装であるインディゴスパングルでは、服の表面が一面
スパンコールという、トレースする側からすると鬼のような衣装でしたが、今回の美希の衣装である
キングオブパール360、AC6の機体では一見何も表面に無さそうに見えたので、今回は楽になると
喜びつつL4Uの画面でチェックしたら、しっかりとスパンコールが貼ってありました('A`)

テクスチャを再現するとき、さすがにAC6の画面ではトレースするだけのデータが取れないので
基本的にはゼロから描いていきます。
最初に、領域を分割して、スパンコールの位置、大きさを決めます。
ここの作り方で表面の凹凸の見え方が変わってしまうので、全体の印象を見ながら調整します。

服テクスチャ領域分割図

あとは、一つ一つの領域にスパンコール用のパスを張り、着色すれば上の完成画像になります。

なお、画像はすべて600dpiで作成していますので、原寸だとこれぐらいのサイズになります。

原寸画像

元データをここまで作っておくと、印刷したデカールを見ても、大変精細な画像になるので
完成後のクォリティには十分満足出来ます。

垂直尾翼部分の画像も同様に作成し、マスキング用の元データが出来ました。

できあがった画像を一旦紙に印刷し、それを元にマスキングテープを切り出します。
今回、切り出すに当たって、下記の動画のやり方を参考にさせていただきました。

多少、テープの消費量は多くなりますが、切り抜いたマスキングテープを剥がすのが、大変スムーズです。

マスキングテープを切り出すと、こんな風に出来ます。

マスキングテープ切り抜き

カッターマットから剥がして機体に貼り付けます。

機体マスキング1機体マスキング2
機体マスキング3機体マスキング4

マスキング出来たところで、機体色を塗装します。
今回の塗装色は、フィールドグレイ(タミヤアクリル XF-65)を使用することにします。
ただ、そのまま塗るとかなり濃く見えるので、フィールドグレイにホワイト(タミヤアクリル X-2)を
10:1程度混ぜて、多少退色したような色合いにしてみました。

機体色塗装後

次に、パール塗装を行います。
まず最初に、3本線のストライプから。

ストライプマスキング上面ストライプマスキング下面

前回の千早機同様、ボークスのシャインパールを利用します。
ストライプには、ゲーム画面の印象から、ホワイトを使い、クリアに混ぜて吹きます。

次に、機体全体に散らばる星です。
機体の部位ごとにデータを作り、マスキングテープを先ほどの手法と同様にデザインナイフで
一つ一つの星を切り抜いていきます。

星マスキングデータ

機体表面は曲面のため、一続きの星の集まりごとに、切り分けながら、隙間を別途
マスキングテープで覆いつつ、機体全面に貼っていきます。

星マスキング上面星マスキング下面

マスキングが終わったところで、ストライプ同様、シャインパールを使って星を塗装します。
星は基本的に緑色ですが、ゲーム画面で見ると、千早機の星ほどに緑ではなく、薄い色に見えます。
そこで、シャインパールのグリーンとホワイトを混ぜて吹いてみることにしました。

吹き終わったところでマスキングテープを剥がして様子を見ます。

星塗装後星塗装後部分拡大

基本的に反射しないときには見えない程度の濃度で吹いていますので、全体を見ると
星やストライプが見えるのはごく一部です。
右の画像は、主翼部分を反射させながら見たところ。
これを見ると、もう少し星の緑は濃くてもよかったかも?と思いましたが、まぁ、これはこれでよいことにしますw

次に、エンジン部分の塗装です。
まずはマスキングから。

エンジンマスキング

エンジンの周囲をテープで、その他の機体全体は紙でざっくりと覆っています。
さて、塗装ですが、このまま白の上に塗り重ねても良いのですが、落ち着いた印象にしたかったので、
まずはブラック(タミヤアクリル X-1)を吹き、その上にメタル系のカラーを順次吹き重ねることにしました。

ブラックを塗った後、全体にガンメタル(タミヤアクリル X-10)を吹き付け、ハッチ部分に
チタンシルバー(タミヤアクリル X-32)を吹いたのがこちら。

エンジン塗装途中経過

この後に、チタンシルバーにクリアブルー(X-23)を微妙に混ぜて多少青みがかった
シルバーを中央のパネル部分に吹き、端の方のパネルのエッジ近くに、メタリックブラウン(X-34)と
ガンメタルを混ぜたものを淡く吹き付けてみました。

エンジン塗装後

なんとなく、スホーイのエンジン部分の雰囲気が出たでしょうか。
同様に、機銃部分の塗装も行っておきます。

これで一通りの塗装が終わったので、デカールを製作していきます。

冒頭に作ったデータを印刷しますが、前回同様カラー部分についてはKトレーディングの
ミラクルデカール、白地のデカールはウェーブのNEWクリアデカールを使います。

ところで、ミラクルデカールは、説明書きに「写真モードに加え高画質モードで」印刷せよ、
と指示があります。前回千早機では、写真モードで印刷したところ赤みが強く出たので、グラフィックの
プロファイルで印刷し直しました。
ところが、今回何も考えずに色の補正なしで印刷したら、一番画面の印象に近い色で印刷できたという罠。

カラーデカール印刷

これを見ると、冒頭のデータの不備も含めて、前回のF-15Eのデカールをもう一度
作り直して貼り直そうかという気になってきますw

なお、複数印刷しているのは、データがデカールのシート一枚分と比べて少ないため、
余白部分に予備用のデータを印刷したためであって、これを全部使おうという訳ではないことを
一応補足しておきます。

さてさて、ホワイトデカールの方も作成していきます。

MDデカール

今回、サインの文字はMDプリンタの方で作りました。
カラーのデカールを貼った後に貼り重ねる予定です。

さて、今回はデカールが完成したところまでで終了。
デカールの貼り付けや、小物類の取り付けは次回以降になります。

デカールができあがってくると、だいぶ、完成に向けて近づいてきたような気がしますね。
ではまた。

コメント(4)

こちらでははじめまして。
アイマス模型部やアイマス×エスコンコミュではお世話になってます。
美希機、もうじき完成ですね。
パールの星の部分とか細かいのに、ものすごく丁寧に作られているのにはただただ脱帽です。
そんな当方、雪歩の雪の結晶で心が折れかかっています。(苦笑)
お尋ねしたいのですが、星の部分の小さいものとかもやはりデザインナイフで切っていかれているのですか?

>>Kyoujiさん
こちらこそお世話になってます。
星は全てデザインナイフで切り抜いています。
ただ、星の場合、一つにつき10回ナイフを入れれば抜けるので、意外と
なんとかなります。
雪歩機の場合、雪の結晶はまじめに切り抜こうとすると一つの結晶に100回近く
ナイフを入れないといけないように思いますので、これはあまりに手間が
かかりすぎる気がします。
何か別の手段をとるか、あるいはメタリックなデカールを作って済ませるか、
自分でも先々の製作に向けて考えているところですが、まだいいアイディアが
浮かんでいないんですよね。
いいアドバイスが出来なくて申し訳ないです。

>>Norkさん
返信ありがとうございます。
確かに雪の結晶は切り抜きでは手間ばかりかかって
あまり良いやり方では無さそうです。
実際、練習も兼ねて大き目のものを2つほど切って見ましたが、
かなりいびつな形になってしまうのと、目が半端なく疲労
してしまいました。

>いいアドバイスが出来なくて申し訳ないです。
いえ、こちらこそ答えて下さって感謝しています。
雪ホークはネット上で公開している人がいるようなので
そういうところもいろいろ回って調べてみます。

>>Kyoujiさん
細かいので綺麗な形に切るのは難しいですよね。
自分もそのうち作ることになるはずなので、何か方法を考えなければと
悩んでいるところです。
完成までなんとか頑張って下さい。

自己紹介

名前:Nork(のーく)

10数年ぶりに模型を始めた出戻りモデラーです。
ジャンルは特にこだわらず、いろいろ作っていこうと思います。

このブログ記事について

このページは、norkが2009年5月23日 06:41に書いたブログ記事です。

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